あの時はまだ、恋なんてしたことなかったから。 「あ、ケンタ~!お帰り」 「…なんだよ、葵。 勝手に人の席座るんじゃねぇよ。馬鹿」 「告られたってホント? モテるね。ケンタくん!付き合うの?」 ちょっとからかったつもりだった。 「……興味ねーから、断った」 また? ケンタは誰からの告白も 絶対に受けなかったんだ。