「あっ!ケンちゃん!!」 この声は、よく知ってる。 帰ろうと、学校の玄関から出た俺を、 校門の前で見つけた彼女が笑顔で呼んだ。 「加奈…ケンちゃんって呼ぶなよ…」 勘弁してくれ。 「だって、今更呼び方変えらんないよ。 昔っからそう呼んでるじゃん」 声をかけてきた女。 髪が長くて、一般的に美人と呼ばれる部類に入るだろう。 「受かって良かったね~頑張ったね!」 加奈は2年生。 俺のいわゆる、 幼なじみだ。