私はその後、 ケンタにあの時の彼女の事を、 どうしても聞けなかった。 いつも通りのケンタと、 いつもと同じに振舞おうとする私… ケンタは時々、遠くに行ってしまったかのように、 ぼんやりしていたけど。 やっぱりなにか、変だ。 私には言えないような、何かがあるの? あぁ、私、やっぱり 最近おかしい。 胸の奥のもやもやが、消えなかった。 ある日の放課後、 私は忘れ物をしてしまって、 仕方なく教室に戻ってきた。 ドアを開けると、 そこには先客がいたんだ… 「……ケンタ?」