「信じらんねぇ…」
ケンタが、私を抱きしめたまま呟いた。
「…夢じゃねぇよな?」
私は真っ赤に染まったままの顔でケンタを見る。
ケンタは、ぷっと吹き出して言った。
「葵…なんて顔してんだよ…真っ赤…」
「…もっもう!ケンタだって赤いよ!」
私は恥ずかしくて、ケンタから離れようとした。
その手をケンタが掴んで、引き寄せる。
「嘘……
すげー可愛い…」
そんなの反則な台詞を呟くから、
私は熱でもあるんじゃないかと思う位、体が熱くなってしまうんだ…。
「…馬鹿…」
そう呟いて、ケンタをぎゅっと抱きしめた。