「ごめんね、翔太さんがどうしても家で待っててって言うから、その…

図々しく部屋まで入っちゃって、ごめんなさい。

…あの、部屋のものは全然触ったりしてないから…!」


私は緊張の余り、かなりの早口で喋ってしまった。


ケンタは、眉間にシワを寄せて、


「…葵、兄貴と会ったこと…ないよな…?」


ケンタは状況が全く飲み込めない様子だ。


私は心臓がうるさく鳴るのを何とか押さえようと必死で。



どうしよう、全然余裕がないよ…!