「…え?」 「葵、知らないヤツばっかりで、不安だったんだよな。友達、誰もいねーしさ」 ケンタが続ける。 「だから思わず、声かけちゃったんだよな…」 やだ、そんな風に見られてたなんて。 …ケンタに話し掛けられて、嬉しかったよ。 桜が降る道を、ケンタの後ろに座って眺めていた。 「…ありがと、ね」 ケンタは、優しい。 それは、私だけ特別とかじゃないけど…