涙が乾いてきた頃、

夕方で賑わう街の中に、

加奈さんを見つけた。


「え…加奈さん?」


あれ?どうして一人?


ケンタと帰ったはずのあの人が、
どうして一人でいるんだろう。


訳が分からない。


「あの人、高瀬の彼女じゃん。なんでこんなとこに…」


佐々木君も、加奈さんに気付いたみたいだけど、急に黙ってしまった。


なぜなら、

加奈さんのそばに近づいた男の人の姿を見つけたから。


そして、嬉しそうに笑う加奈さんを見て、

胸がざわつくのを感じていた。