アイツが振り返った。 私の姿を窓辺に見つけたのか、 軽く手を振る。 隣の女の子もこっちを見て、ペコッと頭を下げた。 私は大袈裟に大きく手を振る。 出来るだけ笑顔で… 「馬鹿だね… 手なんか振ってさ…」 後ろからユカの声がする。 振り返ると呆れ顔の私の親友が立っていた。 「馬鹿って言わないでよ… 自分でも思ってたとこなんだからさ」 私はため息まじりにそう言った。