「…悪い…今の忘れて…」

ケンタは、冷たい声を出した。


「俺…先戻るわ…」


ケンタは、振り返って、笑った。

「葵も、いつまでもサボってんじゃねーぞ」


「…うん」


じゃあな、と言い残して、ケンタは教室を出て行った。


私はどうしようもなく高い壁をケンタとの間に感じて…

ただ、立ち尽くしていた。

ねぇ、ケンタ…


早くケンタを友達だと思えるようになりたい。


私は弱くて、意気地無しで、逃げてばかりで…


今の自分は、

大嫌い…――