「…やっぱり彼女だったんだね」 私は沈黙に耐えられずに口を開いた。 ケンタは黙ったままだ。 「なんで先輩なのに知り合ったの…?」 「…加奈は隣に住んでるから…」 え? ふう、とため息をついた後、続ける。 「幼なじみなんだ」 …知らなかった。 私の知らないケンタを、ずっと前から彼女は知ってるんだ。 敵うわけ、ない。 ショックな気持ちを隠して、床を見つめる。 「葵は…? 佐々木と、付き合ってんの…?」