「ちょっと、アオ!どうなってんの!?」

ユカの怒鳴り声が耳に響く。


「…どうって、何が?」


「なんで毎日、佐々木がアオに会いにくんのよ?」

佐々木君は割と積極的だった。

メールも毎日送ってくるし、何かしら用事を見つけて、私の教室に来る。


「…ケンタの事、好きなんじゃなかったの?」

ユカは周りに聞こえないように小声で言った。


ケンタとは、あまり話さなくなっていた。


だんだんとケンタが遠く離れて行くみたいで…

ケンタを好きだと思う自分を消せなくて…


苦しかった。


「だって…敵わないよ、あの人には」