春になって、 私はどうにか、高校に合格した。 嬉しかった。 ケンタももちろん合格。 ユカもまた一緒だし。 入学式の朝、学校に向かって歩いていた。 桜並木が綺麗… 高校に行ったら、やっぱりケンタとは、クラス離れちゃうよね… なんて考えて、ぼんやりしていたら、 相当歩くのが遅かったみたい。 後ろから、声がした。 「葵、遅くね? 入学式早々、遅刻する気かよ?」