「え?何が?」 加奈も覗き込む。 傘を止めるボタンの細い紐に、小さな文字で、 ¨A.O¨と書いてる。 ¨ア・オ¨ アイツはいつも、持ち物に名前を書く時¨I¨は略す癖があるんだ。 間違いなく、葵の傘だ。 葵の傘が、どうしてここにあるのか、俺は必死で考えを巡らす。 あの日、アイツは、 俺の家に来てたのか…? 傘を持っていたなら、 家に帰ってから来た事になる。 学校にいる間は降ってなかったんだから。 あの時、俺は……?