「…ケンちゃん!!」


俯く俺の視界に、細い足首が目に入る。


「おばさんが、ケンちゃんがまだ帰って来ないって心配してたよ…!

何度も携帯にかけてたみたいなのに…

気がつかなかったの?」


俺は着信ランプが光る携帯を隠すように、ポケットにしまった。


「…わざとみたいね」


加奈はそう言って、

目の前の花壇の淵に腰掛けた。


「病み上がりなんだから、おばさんに心配かけちゃダメだよ」