「ケンタ、本当にもう大丈夫?」


母さんが心配そうに玄関で見送る。

「あー、もう平気だから!わざわざ見送りしなくていいって!」

母さんは本当に心配症だ。


身体はもう、すっかり良くなった。

やっと今日から学校に行ける事になって、俺はホッとしていた。


久しぶりにアイツに会えるからな…。


ちょっと緩んだ口元を母さんに見られないように、急いで玄関を開ける。

「おはよーケンちゃん!」

加奈がにこやかに立っていた。


「…なんでいんだよ。
加奈」

小さい頃から、発作後の登校には、必ず加奈が着いてきた。

嫌な予感がした。