どうしてそんなこと聞くの?

そんなにケンタが心配なんですか?

あなたはケンタとどういう関係なんですか?


そう聞きたいけど、何も言えずにいたら、

「あ、そんなの気にしてないとわかんないよね、ゴメンね!」

加奈さんは申し訳ないような顔をしていた。


その時、


「…加奈?」


彼女の後ろから教室に入ろうとしたケンタがしかめっつらをしてる。


「あ、ケンちゃん~!今日、体だいじょぶ…わっ」

加奈さんが言い終わらないうちに、物凄い勢いで彼女の腕を引っ張ると、

ケンタは教室に入らずに廊下を走っていった。