「どんな人?同じクラスになったことなかったよねぇ…?」

私がそう言うと、
ユカはやれやれと首を振る。

「アオ…覚えてないの?その時点で佐々木、脈ないじゃん~可哀相に…」

うっだって、人の顔覚えるの苦手なんだもん。

「放課後、きちんと断ってきなさい!好きな人がいるから付き合えませんって!」

ユカがニヤつきながら言った。

そうだ、私は好きな人がいる。

その好きな人に、
手紙を見られちゃったんだけどね…。

誤解…してないといいけど。


ケンタとは、その後一度も話すことは無かった。

そして、その日の放課後を迎えた。