「母さんにまた心配かけたぞ。 今回はお前が悪い」 兄貴はそう言って、俺の頭を軽く叩いた。 「…ってぇな。 帰れよ馬鹿兄貴」 憎まれ口を叩きながら、思い返すのはアイツの事。 あれから、会ってないし、電話もしてない。 あわす顔も…ねぇけど。 あの日、 葵が飛び出して行った後、しばらく放心状態だった俺。 とにかく、学校を重い足どりで出た。