「良くねぇよ…入院なんてホント最悪…」

俺がそうこぼすと、
兄貴は険しい顔になった。

「お前な~、俺達は気をつけないと、今回みたいな事になるってわかってただろ?

季節の変わり目とか、風邪と一緒に発作も起きやすいんだから」

親父から受け継いだ体質のせいか、
兄貴も喘息もちだ。

ガキの頃は俺みたいによく入院したが、

今ではすっかり良くなって、しばらく病院のお世話になってないようだ。


「なんで傘くらいさして帰ってこねぇの?
ずぶ濡れになって帰ってきやがって」

呆れた様子の兄貴。


傘?

んなの、さす元気も無かったんだから仕方ねぇじゃん。