「ケンタ?起きてるのか?」

ドアが開いて、入って来た背の高い男。


「退屈してると思って、漫画持ってきたぞ」
と言って、重そうな紙袋を差し出した。

スラッとした長身、茶色のサラサラの髪、
誰が見ても「カッコイイ」と認識出来る整った目鼻立ちのこの男は、俺の…

「兄貴…」


高瀬 翔太。
俺の3つ上の兄だ。


「調子はどうだ?」

「……まぁまぁ」

「多分明日辺りには退院出来るって。

良かったな!」

と言って、兄貴は
嬉しそうに笑った。