レイナはそのハンカチを受け取ってニコッと笑った。

『ありがとう敬大君』

レイナは敬大にお礼を言った。

『お姉ちゃん、元気だしてね』

敬大はそう言ってレイナの前から立ち去った。

『ケイゴ…またあたしの涙を止めてくれたね、ありがとう』

レイナは空を見上げて呟き、その場を立ち去った。

『今日はホントに歌を聴いてくれてありがとうございました』

ストリートを終えたユキネはみんなに頭を下げお礼を言った。

『頑張ってね』
『応援してる』

歌を聴いていた人々はユキネに一言かけて去って行った。

『へぇ〜、ユキネがちゃんとお礼を言うなんて…シュンの教育が行き届いてるわね。それにストリートだからって手を抜かず、全ての力を出し切った感じだしね』

里菜は笑顔で言った。

『明日笑えるように…そのために今を本気で頑張るって決めたからさ』

ユキネは少し照れながら言った。

その言葉を聞いた里菜は、自分もシュンのようにユキネをあたたかく見守ってやろうと決めたのだった。