『はい、どうぞ』

里菜はシュンにビールを出した。

『サンキュー』

そう言ってシュンはビールを一気に飲んだ。

『プハァー…うめぇー』

シュンは笑顔で言った。

『ねぇ、シュン。ユキネの方はうまく行ってるの?』

里菜はシュンに尋ねた。

『ああ、それはバッチシだ。ユキネはボイトレにもちゃんと通ってるし、最近はちょくちょくストリートもしてるし…まあ後は俺が曲を書くだけなんだけどな…』

シュンは考え込みながら言った。

『どうしたの?曲が書けないの?』

里菜はシュンに尋ねた。

『う〜ん…やっぱユキネのために良い曲書こうと思うと、なかなか書けないんだよなー』

シュンは少し悩んでいた。

『へぇ〜、シュンが壁にぶち当たるなんて珍しいね』

『だろ?俺も自分でビックリしてるよ』

『まあ、そんな左腕じゃー、今はギターも弾けないし書けないわね』

里菜はシュンを少し不憫に思った。