『…断る。あたしはお前らみたいに恐喝したり、窃盗したり…弱い者イジメみたいなの大っ嫌いだからな』

ユキネははっきりと断った。

『そうなんだよなー…ユキネはいつも恐喝や窃盗に参加しないで、ずっと見てるだけだったよなー…そんなお利口ぶってるあんたにいつも頭にきてたよ』

カンナは帰ろうとしていたユキネにまた歩み寄った。

『それから、あんたのそのあたしを見下したような態度…ムカつくんだよねー』

カンナはそう言ってユキネの顔を覗き込んだ。

ユキネはただカンナを睨みつけていた。

『あ、それからそこに隠れてる奴…さっさと出てきなよ』

カンナのその言葉を聞き、鉄骨の陰に隠れていたハナが姿を見せた。

『ハ、ハナ!!』

ユキネはハナを見て驚いた。

『お前先に帰れって言っただろ!!』

『ユキネの事が心配で…』

ハナは少し怯えながら言った。