また1週間が過ぎる頃ユキネとハナはレッスンが終わり、二人で帰っていた。

『やっぱりユキネの歌声って凄いね。なんていうか、透き通る声でみんなを誘惑する感じ!?あたしは音痴だから、そんなユキネが凄く羨ましいよ』

ハナは隣を歩くユキネに話しかけた。

ユキネは適当にうなづき話を聞いていた。

『ああ、あたしもユキネやレイナみたいに生まれ変わりたいなー』

ハナは一人喋っていた。

『あっ、ユキネ見て見てリムジンが止まってるよ!!カッコイイ車だなー…どんな人が乗ってるんだろうね』

ハナはそう言って、道路に駐車されているリムジンの中を覗きこんだ。

『コラー!!』

リムジンを見ているハナとユキネの背後から、怒鳴り声が聞こえた。

『車に近づくな!!』

黒いスーツを来た真面目そうな男が二人を叱った。

『まあ、見るくらい良いじゃないか』

黒いスーツを着た男の後ろからダンディーな男が歩いてきた。