『バ〜カ…お前なんかがレイナになれる訳ないだろ』

ユキネは冷たくそう言った。

『…だよね。やっぱあたしはレイナみたいになれないよね…』

ハナはまた悲しげな表情を見せた。

『ああ、なれない。だけど別にならなくて良いんじゃねぇの?』

『えっ!?』

『お前はハナだろ?だったらレイナになる必要なんてねぇじゃん』

『ユキネ…』

ハナは目を丸くしてユキネの言葉を聞いていた。

『例え音痴でも…トロくても…ハナにも、レイナにはない魅力があるんだからさ』

ユキネは遠くを見ながらそんな事を言った。

『ユキネ…ユキネが初めてハナって呼んでくれた』

ハナは凄く嬉しそうな顔をした。

『はあ?…だからなんだよ』

『ユキネありがとう』

ハナは笑顔でユキネに抱き着いた。

『何すんだよ!!暑苦しい…離れろよ!!』

ユキネは抱き着いているハナの手を無理矢理外した。