『はあ?…何でお前何かと帰らなきゃならないんだよ』

ユキネはそう言ってハナを無視し、また一人さっさと歩き出した。

ハナは少し寂しそうな表情をしたが、ユキネの後を静かに歩いた。

『あ、ユキネユキネ!!アイス食べようよ』

ハナは大声で前を歩くユキネに言った。

『チッ、声がデカいよお前。アイスなんかいらねぇよ』

ユキネは振り向きハナに言って、また歩き出した。

『じゃあ、あたし買うからちょっと待っててよー』

ハナはそう言って、道沿いのアイスクリーム屋でアイスを注文した。

ユキネはハナの事なんか無視し、さっさと歩いていたが、電気屋の入口に置かれているTVに気付き立ち止まった。

TVではワイドショーが放送されていて、ゲストには大物国会議院の“埼京 優一(サイキョウ ユウイチ)”が出ていた。

ユキネはそんな埼京の姿をじーっと見つめていた。