『ちっ…わかったよ』

ユキネは軽くスネた。

『さあて、里菜。腹へった、飯作ってくれ!!』

シュンはお腹を押さえながら、笑顔で里菜に言った。

『ハイ、ハイ。仕方ないから作ってあげるわ』

そう言って、里菜はキッチンに移動し料理をし始めた。

『オッサン、旨い飯ってあのオバサンの手料理かよ!!』

『ああ、正解。喫茶店やってるくらいだから、里菜の手料理は旨いぞ…多分』

シュンは笑って言った。

『なあ、オッサン。本当にバンド辞めて良かったのかよ?』

『ああ。もうバンドには未練ないさ』

二人が会話してると、里菜が特製オムライスを持って来た。

『さあ、食べて』

里菜は二人にスプーンを渡した。

二人は食べ始めた。

『どう?味は?』

里菜は不安そうに聞いた。

『う〜ん…普通だな』

シュンはがっつきながら言った。

『ホントに普通…』

ユキネもがっつきながら言った。

『普通って…お世辞でも旨いって言えないのかしら、この二人は…』

里菜は溜め息着いて言った。


シュンはユキネの歌声をもう一度聴いて、ユキネの才能を確信したのだった。