『みんな…ごめんな。そういう事だ、俺は今日かぎり脱退させてもらう』

シュンはメンバーたちの顔を一人一人見た。

『ワカッタヨ、シュン。オマエノジンセイダ、スキニシタライイサ』

スミスがそう言うと、他のメンバーたちもうなづいた。

『ありがとう』

シュンはメンバーに頭を下げた。

『ファンのみんな。俺が抜けてもルナティック・ゼロを応援してあげて下さい』

シュンはそう言って、客席に向かい頭を下げた。

そしてルナティック・ゼロの最後の曲を演奏し、ライブは最高に盛り上がり幕を閉じた。

シュンはギターと荷物を詰めた鞄を持ち、閉店間際の里菜の店へとやって来た。

『シュン!!どうしたの、そんなに荷物持って?』

里菜は店に入って来たシュンを見て驚いた。

『里菜、悪い!!今夜一晩だけ店内で良いから泊めてくれ』

シュンは笑顔で頼み込んだ。

『はあ?いなきなり、訳わからないわ』

『今日はもう眠いから明日理由を話すよ。おやすみ』

シュンは店内の椅子の上に勝手に寝転び、深い眠りについた。