病院を出たユキネはまたタクシーに乗り、次に墓地へとやってきた。

ユキネはある一つのお墓の前にしゃがみ込んだ。

『ハナ…ただいま。イギリスであたし、お前の分も精一杯頑張ったよ。これあたし達の…Starlet87のデビューアルバム』

ユキネはハナのお墓にStarlet87のアルバムを供えた。

『それから借りてたこれも返すよ。これがあったから、くじけそうになっても頑張れた…ありがとなハナ』

ユキネはポケットから小犬のストラップを取り出し、小犬のストラップもハナのお墓に供えた。

『じゃあ、あたし行くわハナ。明日のライブ…見に来てくれよな』

ユキネはお墓に向かって微笑み、立ち上がり歩き出した。

するとユキネの携帯電話が鳴った。

『あ、オッサンか…今打ち合わせに行くよ。だからもう少し待ってて。あっ、それから例の曲は出来た?…そっか、ありがとう』

ユキネは電話を切り、ライブの打ち合わせに向かったのだった。