『へぇ〜、意外だな。お前って案外優しいんだな』

ゴミ捨て場にやってきたシュンは、ユキネのそんな様子を見て言った。

ユキネはシュンの姿に気付いた。

『またオッサンかよ…』

『バイト中にサボって未成年が喫煙か…無茶苦茶だなお前は』

シュンは笑って言った。

『うるせーよ。何しに来たんだよオッサン…アンタも借金の取り立てする気か?』

ユキネは煙草をふかし、猫の頭を撫でながら言った。

『苦手な接客業して、店長に怒鳴られ、笑顔忘れて楽しいか?』

『楽しい訳…ないだろ…。だけど、アンタに早く金返したいから』

『お前夜はキャバクラでバイトしてるんだってな?』

『ああ、悪いかよ?』

『いや、悪くはないさ…それがお前のホントにやりたい事なら悪くはない。だが、お前のホントにやりことはそんなんじゃないだろ?』

『何が言いたいんだよ、オッサン!!』

ユキネはシュンに向かって煙草を投げ捨て、怒鳴った。