病院についたユキネは母親の病室へとやってきた。

『お帰り、ユキネ』

埼京が病室に入って来たユキネに声をかけた。

『埼京…ママを見ていてくれてありがとう』

ユキネは埼京に頭を下げた。

『相変わらず、目を覚まさない』

そう言って、埼京はユキネの母親の顔をじっと見つめた。

『ユキネ…よく頑張ったな。ほら、お前のCD5枚も買ったぞ』

埼京はそう言って病室の棚からCDを取り出し、ユキネに見せた。

『クス…親バカだな』

ユキネは微笑んだ。

『親バカで良いんだよ。娘のCD買わない親はいないんだからよ』

埼京は笑って言った。

『ありがとうパパ…じゃあ、あたし明日のライブの打ち合わせがあるから、もう行くよ』

ユキネはそう言って病室を出て行った。

『ありがとうパパか…エッ!?ユキネ、パパって…』

埼京はユキネが初めてパパと呼んでくれた事が凄く嬉しかった。