『ちょっとユキネ、あんたね!!』

里菜は少しイラっとした。

『まあまあ、ユキネは素直じゃないからそんな事言ったけど、本心は喜んでるよ』

シュンは里菜をなだめた。

『それぐらいわかってるわよ。イギリスに行ったら少しは成長するからなって思ってたけど…シュンもユキネも何も変わってないわね』

『ああ。だって俺は俺だ、変わる必要なんてないからな』

シュンは笑って言った。

『オッサン!!あたしママの病院寄ってくから、先に行くよ』

ユキネはそう言って空港を出て、タクシーに乗り病院へと向かった。

『さてと…俺もライブの打ち合わせがあるからもう行くわ』

『帰国したばかりでもう仕事?売れっ子は大変ね』

『まあ帰国って言っても、ライブのために帰国しただけだしな。じゃあ、行くわ。お迎えありがとな、里菜』

シュンもそう言って空港を出て、タクシーに乗り走り去った。