ユキネ達がイギリスに旅立ってから数週間が過ぎた。

季節も冬から春へと移り変わろうとしている頃、レイナはライブの打ち合わせが終わり、家へと帰宅途中だった。

『シュンたち…イギリスでちゃんとやってるかな?大丈夫だよね…』

レイナが歩道橋まで来ると、ショートヘアーの女子高生が下を走る車を見ていた。

女子高生はボーっとしながらただ溜め息をついていた。

レイナはそんな女子高生が気になり、声をかけた。

『どうかしたの?』

レイナが尋ねると女子高生がレイナの方を見た。

『えっ…レ、レイナ!!』

女子高生は驚いた。

『レ、レイナが…あの歌姫のレイナが…どうしてこんなトコに…』

女子高生は信じられない様子だった。

『どうかしたの?溜め息ついて下を見てたけど…』

レイナがそう尋ねると、女子高生は突然黙り込んでまた下を見つめ出したた。