『ちょっと知り合いを捜してくるから、ユキネはここで待っててくれ』

シュンはそう言って、ユキネをその場に残しキースを捜しに行った。

ユキネはポケットからハナにあげた小犬のストラップを取り出した。

切り刻まれてワタが飛び出していた小犬のストラップは、ユキネが糸で縫い合わせつぎはぎだらけだが、元通りに戻っていた。

『ハナ…これはお前にあげたストラップだけど…今はお守りがわりに借りとく。イギリスでデビューして、次に日本に帰って来た時お前に返すよ…叶えたお前の夢と一緒にさ』

ユキネはつぎはぎだらけの小犬のストラップを見て、そう呟いた。

『待たせたなユキネ』

シュンが戻って来た。

『あっちだ、行こう』

シュンはそう言って、歩き出そうとした。

『オッサン!!…いつもありがとな』

ユキネの突然のその言葉を聞き、シュンは立ち止まり驚いた。

『何だよ突然…』

シュンはニコッと笑った。

『別に…』

ユキネもそう言ってニコッと笑った。

そして二人は夢を追いかけ、イギリスへと旅立ったのだった。