『レコード会社からも契約を白紙に戻されたし、ユキネを応援していてくれた人々も離れてしまった。もうユキネは…ダメかもな…もうアイツの夢を叶えてやれないかもな…』

シュンは弱気になっていった。

『クソー!!考えても何も浮かばない…俺はプロデューサーなのに、何もしてやれないのかよ!!』

シュンはどうすることも出来ない自分を責めた。

『シュン、自分を責めちゃダメよ』

里菜はシュンを慰めた。

『けどよー、実際何もしてやれないし…』

シュンはうつむいた。

里菜はそんなシュンの隣の席に座った。

『あなたはプロデューサーでしょ?だったら、ユキネの歌う場所を、居場所を見つけてあげなくちゃ。シュンにしかそれは出来ないんだからさ』

里菜はシュンの背中をポンポンと軽く叩いた。

『まさか里菜に慰められるとはな…』

『あら、そう。仲間が辛い時はいつだって仲間が支えて来たでしょ、フレンズにいた頃はさ』

里菜はそう言って微笑んだ。

『そうだな、ありがとう』

シュンも微笑んだ。

そしてシュンは、ユキネのためにもう一度頑張ろうと心に決めたのだった。