『そうですか…分かりました。頭を上げてください小林さん』

そのシュンの言葉を聞き、小林誠吾は頭を上げた。

『小林さんには色々お世話になっています。だから、俺としてもこれ以上小林さんに…このレインボーミュージックに迷惑はかけたくありません』

シュンはニコッと笑った。

『シュン…ありがとう。俺個人として力になれる事があれば、また言ってくれ…本当にすまなかった』

小林誠吾はシュンにまた頭を下げた。

『いえ…こっちこそ迷惑かけました。それじゃあ失礼します』

シュンは社長室を出た。

『ふーっ…次はミュージックブックさんに謝りに行かないとな…』

シュンはひと呼吸ついて、歩き出しレインボーミュージックを出た。

ユキネの暴力事件は、取材をした雑誌編集社・レコード会社・販売予定だったCDショップなどに多大な迷惑をかけてしまった。

それと同時にユキネを応援してくれていた人々の、信頼すらも失くしてしまった。