涙に濡れた長い夜が明けた。

ユキネは壁にもたれたまま、泣き疲れていつの間にか眠っていた。

すると、警官がユキネを起こした。

『おい、起きろ!!君に面会だ』

警官のその言葉にユキネは目を覚ました。

ユキネはそっと起き上がり、ボーっとしたまま警官の後に着いて行った。

『ここだ、入れ』

警官に誘導され面会室に入ると、目の前のガラスの向こうにはシュンがいた。

警官はユキネを椅子に座らした。

『ユキネ…』

シュンはユキネの頬に残る涙の跡に気付いた。

『ハナちゃん…死んだんだってな…イジメが原因なんだってな』

シュンは呆然としているユキネに言った。

『オッサン…あたし暴力ふるっちゃった…約束破って悪かったな』

謝ったユキネの目からは、涙が数滴零れ落ちた。

『…暴力は絶対に行けない事だ。だが、それだけ大切な友達だったんだなハナちゃんは。お前って友達思いの良い奴だな』

シュンはニコッと微笑んだ。