『小林さん…俺今すぐ警察署に行ってきます』

『ああ、そうした方が良い』

『はい』

シュンは電話を切り、急いで服を着替えハットをかぶり部屋を出た。

『ユキネ…何があったんだ…暴力は絶対ふるうなって約束しただろ…何やってんだよ』

シュンはユキネの事を考えながら、警察署に向かって必死に走った。

シュンが警察署につき、警察署の廊下で息を切らしていると、うつむいたユキネが取調べ室から警官に連れられて出て来た。

『ユキネ!!』

シュンは背を向けるユキネを呼んだ。

シュンの声を聞いたユキネは、うつむいたまま一瞬立ち止まったが、また歩き出した。

『ユキネ…何があったんだ?おい、ユキネ!!』

シュンはユキネに大声で言った。

しかし、ユキネは背を向けたままシュンの方に振り返る事もなく、ただ黙り込んだまま警官に連れられ牢屋へと連れて行かれた。