『あ、ダメー!!』

ハナは凄い勢いで席から立ち上がり、小犬のストラップを奪い返した。

『何だよそんなにそれが大切なのかよ!?』

キョウコはハナを睨みながら尋ねた。

しかしハナはストラップを大切そうに握りしめ黙り込んでいた。

『ちっ、無視かよ!!』

キョウコは舌打ちし、ハナの机を蹴り飛ばした。

『行こうぜお前ら』

キョウコはそう言って友達3人と教室を出て行った。

ハナは机を元に戻し、小犬のストラップを見つめながら静かに席に座った。

午前中の授業が終わり、昼休みに入った。

ハナは一人学校の屋上でお弁当を食べていた。

『もうすぐユキネのデビューか…』

そしてお弁当を食べたハナは鞄を持って教室へと向かった。

すると廊下でキョウコとすれ違った。

『よお、ハナ。さっきは悪かったな』

そう言ってキョウコはハナの肩を軽く叩いて去って行った。