それからまた2週間あまりが過ぎた。

学校でのハナに対するイジメはどんどんエスカレートしていた。

だけどハナはめげずに学校に通っていた。

いつものようにハナが登校すると、いつものように上履きが捨てられていて、いつものように黒板にハナをけなす落書きがされていて、いつものように紙やペットボトルなどを投げ付けられ…そしていつものようにキョウコに酷いめに合わされた。

『おい、ハナ。お前のオゴリでジュース買ってこいよ』

休み時間にキョウコはハナに命令した。

『…ヤダよ』

自分の席に座るハナはうつむきながら言った。

『はあ?お前に断る権利ないんだけど…』

キョウコはハナの髪をつかみ、うつむいているハナの顔を無理矢理あげさした。

『あ、ハナこれ可愛いじゃん』

キョウコの友達の一人がそう言って、鞄につけていたユキネから貰った小犬のストラップを手に取った。