『えっ?そうなんだ…忙しいんだね』

ハナは淋しげに言った。

『何度も電話してくれてたみたいなのに、すぐ電話切る事になっちゃってゴメンなハナ。また、時間があったら電話するよ。じゃあな、ハナ』

ユキネはそう言って電話を切ろうとした。

『あっ、ユキネ…』

『何だ?』

『あ、えーっと…その…あのね…風邪引かないように頑張ってね』

『ハナもな。じゃあな』

ハナはそのユキネの言葉を聞き、電話を切った。

『ユキネに話し聞いて欲しかったな…でも仕方ないよね?ユキネは忙しいんだもん…』

ハナは電気もつけない暗がりの部屋で、ベッドに座りながら寂しさと、今日あったキョウコたちからの嫌がらせなどを、不意に思い出し涙を流した。

そんな涙を流す一人ぼっちのハナを、冬の夜空で光り輝く月だけが優しく照らした。

月の光に照らされながら、ハナはただただ涙を流したのだった。