『だ、大丈夫!?』

ハナは突き飛ばされた小さな男の子に駆け寄った。

すると男の子は黙って立ち上がり、突然ハナに砂をかけた。

『きゃあ!!』

ハナは砂を振り払った。

『俺に話しかけるなブス!!』

そう言って小さな男の子は走り去った。

ハナは鞄を持ち、元気なく家へと歩いた。

家につくとテーブルの上には冷え切った夕食とメモ書きが置かれていた。

『ママもパパも…今日も遅くなるんだ…』

ハナは寂しげに自分の部屋へと入った。

すると突然携帯が鳴り響いた。

『ユキネからだ!!』

ハナは電話に出た。

『ユキネ!!』

『あ、ハナ…どう?元気にしてるか?』

『うん、元気だよ…ユキネは?』

『あたしも元気だよ』

『ねぇ…ユキネ…あたしね…』

『えっ?何…あっ、悪いハナ今から雑誌の取材みたいなんだ』

電話の向こうでユキネは忙しそうだった。