『ユキネ、何度も言うが…俺は今曲が書けないんだ…どうしても書けないんだ』

シュンはやるせない思いでいっぱいだった。

『わかってるよ…そんな事はわかってる!!でも…』

ユキネも、どうしようもない事は分かっていた。

『オッサンの書いた曲じゃなきゃ…。なあ、今デビューしなきゃダメなのか?あたし…何年でも何十年でもオッサンが曲書けるまで待つから、オッサンの書いた曲でデビューしたい!!』

ユキネは自分自身の思いをぶちまけた。

シュンはユキネのその気持ちが正直嬉しかった。

しかしそれと同時にユキネのためを思えば、心が張り裂けそうなくらい辛かった。

『ユキネ…俺の事情でお前の夢を失わせたくない。次にこんなチャンスがあるかなんて保証は出来ない。チャンスを逃せば、もう二度とやってこないかも知れない。俺はお前の歌が好きだから、そんなユキネの歌を…夢を…栄光に変えたいんだ』

シュンは自分の思いを伝えた。