翌日ユキネはシュンに呼び出され、レインボーミュージックのレコーディングスタジオへとやってきた。

『久しぶりだなユキネ』

スタジオで待っていた小林誠吾がユキネに声をかけた。

『はい…』

ユキネは軽く小林誠吾に会釈をした。

『ユキネ、この前渡した曲と歌詞を覚えて来たか?』

レコーディングスタジオでミキサーをイジっていたシュンが、スタジオに入って来たユキネに尋ねた。

『…ああ』

ユキネは素っ気なく答えた。

ユキネとシュンの関係は、あれ以来少しギクシャクした様子だった。

『ユキネ…じゃあ、早速レコーディングに入るぞ。ブースに入れ』

『ああ…』

ユキネはそう言って、レコーディングブースの中に入った。

『じゃあ、スタッフの皆さんレコーディングお願いします』

シュンはスタッフに軽く頭を下げた。

『初めてユキネの歌声を聴くよ』

小林誠吾はユキネの歌声を楽しみにしていた。