『スノードロップか…希望を歌った詞なんだな』

ユキネはそっとハナに笑いかけた。『あたしいつか自分の書いた詞を歌いたいんだ』

ハナはそう言ってニコッと笑った。

『そうか…頑張れよハナ』

『うん』

ハナは元気よくうなづいた。

『あ、そろそろ帰らなきゃ…ユキネ、今日は付き合ってくれてありがとう』

ハナはそう言って椅子から立ち上がり、ファミレスから出ようとした。

『ハナ!!』

そんなハナをユキネは呼び止めた。

『ほらよ!!』

ユキネはハナに何かを投げた。

『えっ…』

ハナはユキネの投げた何かを両手で受け取った。

『…ストラップ!?』

ハナは受け取った、白い小犬の人形のストラップを見て言った。

『あたし金ないからさ…そんなもんくらいしかあげられないけど…ハナ、ハッピーバースディー。おめでとう』

ユキネは少し照れながら笑顔で言った。

『ユキネ…あたしの誕生日覚えててくれたんだ…。ユキネ!!ありがとう』

ハナは嬉しさのあまり目に涙を浮かべて笑った。

『さあ、早く帰れよ。そのストラップ大切にしろよな』

『うん!!』

ハナはストラップを大切そうに握りしめ、帰って行ったのだった。