『あー!!今日は忙しかったなー』

里菜は喫茶店の後片付けをしていた。

『さて、店を閉めるか…』

里菜が店を閉めようとした時、突然扉が開いた。

『あ、すみません…もう閉店なんで…シュン!!』

店に入って来たのは黒いハットを深く被ったシュンだった。

『よー、里菜』

シュンはふらつきながらカウンターの席に座った。

『シュン、もう店は閉店よ。何しに来たのよ?』

里菜はシュンに尋ねた。

しかしシュンは黙り込んでいた。

『…何かあった?』

里菜はいつもと様子の違うシュンに気付いた。

『…別に』

シュンは一言そう言った。

『足がふらつくほど酔っ払って…別にな訳ないでしょ?第一シュンがさ、ハットを深く被って表情を隠してる時は、いつも何か辛いことや悲しい事があった時じゃんか』

里菜はシュンの心に語りかけるように言った。