『それが…ユキネのために良い曲を書こうと思うと、どうしても納得行く曲が書けないんだ…』

シュンは今の自分の状況を小林誠吾に打ち明けた。

『曲が書けないか…』

小林誠吾は考え込んだ。

『シュン、プロデューサーの立場から言えばな…人間は飽きっぽい生き物だ。雑誌に取り上げられた今、ユキネをデビューさせるチャンスだぞ』

『やっぱり…そうだよな…』

シュンは考え込んだ。

『ここからはイチ社長としてお前に仕事の話をしたい』

そう言って小林誠吾は急に改まった。

『ユキネをウチの、レインボーミュージックからデビューさせないか?』

『小林さん…』

シュンは考えた。

『雑誌に載った以上、色んなレコード会社がユキネと契約したがる…いわばユキネの争奪戦だ。レインボーミュージックの社長として俺は、ユキネには是非ウチからデビューしてもらいたい』

小林誠吾はシュンに、レインボーミュージックの社長として話をした。