そしてカンナは空から降り注ぐ真っ白な雪をじっと見つめた。

『あたしも…この雪のようにもう一度綺麗な白から、やり直せるかな…』

そしてカンナは静かに目を閉じた。

『…聞こえる…雪の音が聞こえる…何かユキネの歌みたいに、聴いていて落ち着くな…心安らぐな…』

そう言ってカンナはもう一度霞む目を開け、雪の降る空を見つめた。

『ユキネ…絶対歌手になれよ…絶対夢を叶えろよ…約束だからな…ユキネ』

カンナはそう言って右手の小指を空に向かって高々と上げた。

『針千本飲ーます…指きった…』

その言葉を最後にカンナは力尽きた。

降り注ぐ雪が一人ぼっちのカンナを優しく包み込み、次第にカンナを真っ白に染めて行き、雪だけがカンナを見届けた。

そして雪に包まれたカンナは、居心地良さそうに永遠に眠り続けた。

雪が降る街で一つの友情の物語が幕を閉じたのだった。