二人が話していると再びパトカーのサイレンが鳴り響いた。

『おっとパトカーだ…行かなきゃ…』

カンナはパトカーのサイレンに気付いた。

『カンナ、お前この前ので追われてるのか?』

『まあそれもあるだろうけど…実はな、あたしはやってないけどミスズたちがさ、ドラッグに手を出しちゃててさ。それでグループ全員追われてるんだ』

カンナは事情を説明した。

『ドラッグに手を!?』

『ああ。まだ警察に捕まる訳には行かないから、あたしはもう行くよ。あ、それからユキネ…あんたの歌が聴きたい。あたしもあんたの歌が聴きたい!!』

『あたしの歌を?…なら明日の夕方18時に駅前に来なよ。ストリートやってるからさ』

『18時に駅前か…分かった、必ず行くよ。じゃあな』

カンナは笑顔でそう言って、パトカーのサイレンの音がする方向とは逆の方向に走り去って行った。

『カンナ…待ってるからな』

ユキネはそう呟き、雪の降る街を一人歩き立ち去った。