少女たちはシュンの姿に気付いた。

『何だよオッサン、あんたも金盗られたいのか?』

茶髪の少女はシュンに歩み寄った。

『ミスズ、そのオッサンには構わない方が良いよ』

長い黒髪の少女はシュンを睨んで言った。

『えっ!?ユキネはこのオッサンと知り合いなの?』

茶髪の少女ミスズは長い黒髪の少女ユキネの方を振り返って言った。

『へぇ〜、お前ユキネって言うんだな。改めてよろしくな、ユキネ』

シュンは握手をしようと、右手を差し出した。

『あんなオッサンほっといて、みんな行くよ』

ユキネはシュンを無視し、少女たちと立ち去った。

『あ〜あ、俺すげー嫌われてるみたいだな』

シュンは笑って言った。

『うん?何だコレ?』

シュンは足元に落ちている手帳に気付き、拾い上げた。

『ふ〜ん、ユキネの生徒手帳か…アイツ高校行ってるんだ一応』

シュンは雨で濡れた手帳を手に持ち、公園を出た。